「和田誠と日本のイラストレーション」

たばこと塩の博物館で「和田誠と日本のイラストレーション」(9/9〜10/22)が催されている。和田さんは「ハイライト」のパッケージデザイナーだからご縁のある会場だ。
九月二十一日はさわやかな秋空で、自宅の根津から上野へ出て、浅草そうして隅田川を渡り、押上のスカイツリーに近い博物館まで歩いて往復した。はじめて訪ねたところなので大川を渡ったあとが意外に距離があるように感じたが、復路はそうでもなく、よい行楽と鑑賞の午後となった。

入り口では和田さんの長年にわたる「週刊文春」の表紙デザインが出迎えてくれ、会場には和田さんの作品を中心に、宇野亞喜良山下勇三横尾忠則安西水丸といったイラストレーター諸氏の作品が展示されていて、とてもしゃれて充実した催しだった。

和田さんのイラストが好き、くわえて氏のオススメの映画とジャズのディスクを追っかけておよそ四十年、振り返るとこの人の影響は大きく、嗜好を作ってもらったような気になることもある。それにときどきは奥様(平野レミ)の料理番組で旨いものを物色しているからご夫婦にはずいぶんとお世話になっている。
帰宅して会場で求めた「七年目の浮気」のマリリン・モンローと「キャバレー」のライザ・ミネリのポストカードを眺めながら飲んだウィスキーはいつもより琥珀色の輝きが増していた。