フラメンコ(西班牙と葡萄牙 其ノ三十)


グラナダの夜はフラメンコショーに出かけた。静かなというよりさびしい感じがする狭い坂道をバスが上がって行くと、添乗員さんから、ここらあたりはむかしはユダヤ人の居住地でしたと説明があり、言われてみるとなんとなく疎外された地域の雰囲気を感じてしまう。
丘の上にあるジプシーの洞窟住居を利用したタブラオでショーを鑑賞した。タブラオは板張り舞台のあるバル(居酒屋)やレストランをいう。フラメンコのライヴハウスといったところか。タブラというスペイン語で板を意味する言葉からこの名前がついたそうだ。
正面にダンサー、歌手、ギター、パーカッションが控え、そこから板張りの床の舞台が長方形に延びて観客はその両脇に座る。フラメンコをナマで見るのははじめてで、歌われ、演奏される曲も皆目知らないが、なかに一曲だけ「グラナダ」が歌われていた。