中学生のころギターの名曲「アルハンブラの思い出」を聴いてアルハンブラという宮殿がスペインにあるのを知った。おそらくNHKFMでのアンドレ・セゴビアの演奏だったと思う。スペインの作曲家で、クラシック・ギターの名手フランシスコ・タレガの作品だが、後年まで確認もしないままセゴビアの作曲と思い込んでいた。
当時わたしの周囲にはベンチャーズやグループサウンズに惹かれてエレキギターをはじめた人が多かったが、少数ながらクラシック・ギター派もいた。いまはどうかわからないけれど、かつては「アルハンブラの思い出」を聴いてクラシック・ギターをはじめた若者が多くいたような気がする。
NHKFMでは週に一度ラテンとアルゼンチンタンゴの時間が設けられていて、ここでメキシコのアウグスティン・ララが作曲した名曲「グラナダ」を知ったが、アルハンブラ宮殿がグラナダにあることまでは調べなかったから、振り返れば知的好奇心は低空飛行のままだった。
