古典とモダンの混在(西班牙と葡萄牙 其ノ五)


写真左はサグラダ・ファミリア東側にある「生誕のファサード」の一部で、ここではキリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が古典的な彫刻によって表現されている。
右は西側にあるモダンな彫刻群。こちらは「受難のファサード」と呼ばれていて、イエスの最後の晩餐から磔刑、昇天までの有名な場面が彫刻されている。
一見しておわかりのように東西で対照的な構成となっていて、東側の作品は見たことがあったが西側のほうは知らなかったため、古典とモダンが混在するこの聖堂の一面をはじめて知った。
「神は決してお急ぎになりません」と、ガウディは後の人々に完成を託した。古典とモダンの彫刻群にはそうした彼の思いが表れているようだ。彼が何を目指していたのかといった議論よりも見て、見て、見抜くのが先だ。