陽光を浴びて(西班牙と葡萄牙 其ノ四)


丈高く、広々とした教会の空間には大胆と言ってよいだろう採光の窓が何箇所かあり、季節ごとに、また一日の時間の経過により内部の趣が変化する。それだけでもサグラダ・ファミリアは何度も訪れてみたくなるところだ。
ここはアルハンブラ宮殿プラド美術館とともにスペインで最も観光客を集めるモニュメントながら、わたしがガウディとサグラダ・ファミリアを知ったのはだいぶん遅くて三十歳を過ぎてからだった。一九八四年に公開された勅使河原宏監督のドキュメンタリー作品「アントニー・ガウディ」を観てやっと知った次第だった。それからおよそ三十年あまり経って今回ようやく実見に及んだ。
おなじツアーに参加した同年輩の方と「二0二六年の完成の際にはぜひ訪れたいですね」「七十代のなかばですか。おたがい再訪できるよう念じていましょう」と言葉を交わした。エール交換である。