スペインとポルトガル(西班牙と葡萄牙 其ノ一)・IS事件の余波(西班牙と葡萄牙 其ノ二)


「スペイン&ポルトガル周遊9日間」というツアーに参加して両国を観光してきた。二つの国ともに訪れるのははじめての「走馬看花」の旅である。成田空港〜イスタンブール空港経由バルセロナサラゴサマドリードラ・マンチャグラナダ〜ミハス〜セビリア〜エヴォラ〜ロカ岬〜リスボンリスボン空港〜イスタンブール空港経由成田というのが旅程。
いずれこのブログで旅の記録をすることにしているけれど、いま昨年の春に行ったトルコの旅を掲載していて、まもなくこれを終えると次には秋に行ったモロッコの旅が控えている。もうすこしスピードアップしなければいけないと思っているのだが……。
写真はリスボンでのファドのディナーショーのチラシにあった図案。哀愁漂うポルトガル民族音楽は2011年に世界文化遺産に登録されていて、いまわたしはアマリア・ロドリゲスの歌う「暗いはしけ」を聴きながらこの記事を書いている。(再掲。およそ一年遅れの旅日記なので、もっと急がなくてはと思うけれど、なにしろスローボートなので)


      



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過激派組織ISの人質としてオレンジ色の拘束服を着せられた後藤健二さんと湯川遥菜さんの姿がインターネット上に公開されたのは二0一五年一月二十日だった。ISとのパイプはトルコのほうが大きいとみられていたが、日本政府は現地対策本部をヨルダンに設置した。トルコを窓口にした交渉もあり得たのだろうが、結果は一月二十四日に、殺害された湯川さんの、二月一日にはおなじく後藤さんの写真がインターネット上に公開され、人質の解放はならなかった。
わたしたちがスペインとポルトガルのツアーに出発したのは拘束事件が報じられてひと月あまり経った二月末だった。このかんトルコ旅行を計画していた方のなかにはとまどい、迷った人が多くいたようだ。安全性にくわえて心に引っかかるものがあったのだろう、二十三人の参加者のうち二組四人の方がトルコ旅行をとりやめ旅先を変えたと言っていた。
写真は地中海に面したバルセロナのホテル。海は穏やかだが心中は複雑だ。