クトゥビーヤ・モスクにかかる月(モロッコの旅 其ノ四十八)


マラケシュの夜が明けるとカサブランカへ戻り、イスタンブール経由で帰国の途につく。今回の旅はマラケシュがフィナーレとなる。そこでホテルで夕食をとるとわたしたちはさっそくジャマ・エル・フナ広場へと向かった。昼間も相当なものだったが、夜のにぎわいは格別なものだと聞いている。
往きは徒歩、帰りはタクシーと決めて、いざ出発。ホテルの案内で訊ねる三十分くらいとの答えだったが、なかなかどうしてけっこうな距離で、五十分ほどかかった。そこそこ健脚の部類が早歩きしての五十分である。
街路地図は頭に入っていないがランドマークのクトゥビーヤ・モスクをめざして行けば広場は近い。ようやくモスクのミナレットを見上げると月がかかっていて趣を添えてくれていた。
ちなみにこのミナレットセビリアにあるヒラルダのモスクのモデルとなり、そしてこれがスペインや東ヨーロッパの教会塔のモデルとなったのだそうだ。