イブン・バットゥータ(モロッコの旅 其ノ三十九)


イブン・バットゥータ(1304-1368)はモロッコマリーン朝時代にタンジェで生まれたイスラム法学者また旅行家だった。旅行家としては1325年にメッカ巡礼に出発し、以後エジプト、イラン、シリア、キプチャクハン国、中央アジアスマトラ、ジャワ、中国(泉州・大都)、イベリア半島、サハラ等を旅した。およそ三十年にわたる大旅行だった。その記録はわが国では『三大陸周遊記』として知られている。
高校生のとき世界史の授業で知っただけの方でご縁はなかったのが、今回の旅ではじめて著名な旅行記前嶋信次訳、角川文庫)の頁を繰った。
サハラ砂漠についてはブーダーという地に着いて、ここは砂地で塩分を多く含む、穀物もバターもオリーブオイルもなく、もっぱらなつめ椰子といなごを食べている、いなごはたくさんいてなつめ椰子同様貯蔵されている、といったことが述べられている。