モザイク(モロッコの旅 其ノ十八)


古代ローマ時代にもモザイクで飾られた床はあった。またキリスト教美術におけるモザイク装飾は東ローマ帝国で花開き、コンスタンチノープルをはじめ各地の聖堂をモザイクが飾った。トルコを旅したときは素敵なモザイクの壁や床に惹かれたものだった。イタリア半島でも東ローマとの往来交流がさかんだったラヴェンナが「モザイクの首都」と呼ばれていて、大聖堂のモザイクをはじめ多くの遺産がある。
ここモロッコのメクネスではマンスール門やムーレイ・イスマイル廟をイスラムのモザイクが飾る。十七世紀アラウィー朝のムーレイ・イスマイルはヴェルサイユ宮殿に伍してメクネスを華麗な都にしようとしたからその豪華さはうかがわれる。
ロッコでモザイクはゼッリージュと呼ばれていて、国内のみならずイスラム世界やヨーロッパ各国でも親しまれている。