カサブランカへ!(モロッコの旅 其ノ一)

一昨年ヴェネツィアでゴンドラに乗ったあとアドリア海を眺めているうちに、この海の彼方にあるイスタンブール、その昔のコンスタンチノープルへのあこがれが芽生え、ついで、かつてのローマ帝国領の周縁の地を訪れてみたいと思い、モロッコが心に浮かんだ。
そこで昨年は三月下旬から四月にかけてトルコを、九月下旬から十月にかけてモロッコを旅した。モロッコはわたしを映画のとりこにした「カサブランカ」の地でもあり、どうしても訪れてみたいところだった。すべてハリウッドのセットで撮影されているのでスクリーンに現地の風景はないけれど。写真は「リックの店」。映画の店が現実になって営業されていて微笑ましかった。
日本からモロッコへの直行便はなく、成田空港からイスタンブール経由でカサブランカへ飛んだ。そこからラバト→メクネス→フェズ→サハラ砂漠→トドラ渓谷→ワルザザード→アイト・ベン・ハッドゥ→マラケシュ、そうしてカサブランカに戻り、イスタンブール経由で帰国というのが今回の旅程。