犬の岩(春の銚子で 其ノ十)


犬吠埼という地名の由来についてWikipediaには「諸説があるが、中でもよく知られるものが義経の愛犬『若丸』が岬に置き去りにされ、主人を慕う余り、七日七晩鳴き続けたことから犬吠(犬が吠く)と名付けられたという説である。他にはかつて一帯にはアシカ(ニホンアシカ)が繁殖しており(近隣には海鹿島があり、明治時代には二、三百頭のアシカが生息していたと伝えられる)、その鳴き声が犬に似ていたことから、犬吠埼と名付けられたという説もある」とある。
いずれにせよ地名の由来に諸説あるというのがミステリアスでロマンがあっていいな。一見した途端に由来は明白なんて地名は面白くもなんともない。新しく作られた市町村の名前に多く、たとえば……やめておきましょう。
義経の犬から来たという説に見合う恰好の岩が犬の岩だ。波や風の浸食によりこうしたかたちになったそうで、犬の伝説にふさわしい奇岩だ。