アンカラの一夜(土耳古の旅 其ノ三十九)


アンカラの一夜、街の地図も頭にないまま四人の仲間でそぞろ歩きをした。
この地は一九二三年トルコ共和国の樹立とともに首都とされ、その直後から急速に人口が増大したため従来の市街が手狭になり、さっそく翌年には新市街の建設計画が定められた。
わたしたちはこの新市街を散策したのだが、公園のたたずまいはいかにも近代のそれで日比谷公園を思わせた。治安と清掃は民度を計る基本の計器であるといわれるが、よく整えられた公園だった。
茶店でチャイを飲もうとテーブルに着くと註文をとりにきた若者が親しく話しかけてきて、日本が大好きだと言う。聞けばマケドニアからの留学生で、夜はこの店でウェイターのアルバイトをしているとのことで、店を出るときはみんなで写真を撮り、フェイスブックに登録しあった。
マケドニアからの留学生というのがいかにもトルコを感じさせた。