岩窟の住まい(土耳古の旅 其ノ三十五)


らくだやきのこのかたちをした岩は自然が生み出したものだが、火山で噴出した岩石は柔らかく人はこれを加工し利用した。
三世紀半ば、ローマ帝国の弾圧を逃れてカッパドキアに移り住んだキリスト教の修道士たちは柔らかい岩をくり抜いて住居や教会を作っていて、岩窟教会も必見の場所となっている。地下都市が可能だったのもこうした岩の性質にあったと思われる。
長い歴史をもつキリスト教はヨーロッパの国々に莫大な観光資源を提供しているが、ここカッパドキアでは自然が生み出した奇観とキリスト教徒のいとなみが一体となっている。
わたしは一般のホテルに宿泊したが、奇岩に掘られた昔の住居を客室とする洞窟ホテルもあり、次回はぜひ洞窟ホテルを利用してみたい。