絨毯の店で(土耳古の旅 其ノ三十二)


パックツアーだから旅行社と契約している名産品店へ案内するコースが組まれていて、今回は革製品、トルコ石、絨毯、陶器の工房を兼ねたお店へ立ち寄った。そして各店舗で説明と案内にあたる方々の流暢な日本語に感じ入った。なかには漫談で演芸ホールに立てそうな方もいたほどだ。
わたしは革製品、トルコ石、絨毯は高価なので見送り、無職渡世にふさわしく実用的な陶器製品をいくつか買って来て、いま食卓でたのしんでいるけれど、これも観賞用となると値は上がる。
三月後半の旅行には大学の卒業式を控えた卒業旅行組も何人かいて、ある学生は帰国した次の日が卒業式だと言っていた。そっと観察していると、卒業旅行組がけっこう高価な買い物をしていた。学生生活最後の思い出にリッチな買い物をするのか、あるいは社会人になるのを寿ぐ保護者がお金を与えているのか、いずれにせよけっこうなことだ。