キャラバンサライ(土耳古の旅 其ノ二十六)

コンヤからカッパドキアに向かう途中すこし長めの休憩があり、ここで希望する方は入場料三トルコリラキャラバンサライ(隊商宿)の見学をどうぞと案内があった。
ガイドの説明もなかったのでここが何という町で、この隊商宿がいつの時代のものなのかはわからないけれど、中国と地中海世界をつなぐ交易路シルクロードを駱駝に乗り、荷物を載せてはるばる往来する人びとがここに宿をとったことを思うと歴史のロマンを感じさせてくれる得難い見学となった。
シルクロードの中国側起点には諸説あるが、一般には長安陝西省西安市)とされていて、一九七九年に西安を訪れたとき、その出発点に立った。
あれから三十五年してようやく地中海世界の一点にある隊商の宿にたどりついたわけだ。