エフェソスの図書館(土耳古の旅 其ノ十五)

エフェソスの遺跡は多く紀元前二世紀以後にローマによって建てられたもので図書館はその代表とされている。建設が始まったのは百十年代で百三十五年に完成した。この地方の総督をつとめたセルシウスの功績を称えてセルシウス図書館の名で呼ばれている。当時アレクサンドリアやペルガモンの図書館とともに世界の三大図書館に数えられていた。
まだ綴じ本は普及していないからほとんどは巻子本であり、もちろん印刷術のない時代だからパピルスに書写した巻物だった。
映画のなかにエフェソスの図書館はないかなあと探しているがまだ見つからない。代わりといってはなんだが、アレクサンドリアの図書館のほうはレイチェル・ワイズ天文学者ヒュパティアに扮した「アレクサンドリア」で再現されていて、アレハンドロ・アメナーバル監督はインタビューで時代考証はしっかりやったと誇らしげに語っていた。