ブルー・モスク(土耳古の旅 其ノ二)

はじめてイスタンブールという都市を意識したのはいつのことだったろう。映画ではっきりおぼえているのは1964年の公開当時に観た「007/危機一発」(「007/ロシアより愛をこめて」として再上映)で、写真のオスマン帝国を象徴する建造物ブルーモスクをはじめこの都市の姿がじつに美しく撮られていた。
性に目ざめる頃の中学生としては、ソ連情報部に勤めるタチアナ(ダニエラ・ビアンキ)の美しさにイスタンブールが錦上花を添えていたのがほんとうのところだったかもしれないけれど。
1964年は東京オリンピックの年で、わたしは女子体操の金メダリストベラ・チャスラフスカ選手に魅せられていて、振り返るとイタリアの女優とチェコスロバキアの体操選手を通じて「おとなの女」の魅力を教えられたのだった。
イスタンブールプラハが好きなのはここらあたりに発しているか?