ロミオとジュリエットの町(伊太利亜旅行 其ノ五十六)

ヴェローナは「ロミオとジュリエット」の舞台となった町。
ジュリエットの屋敷へ行ってみるとここは観光名所として賑わっていたが、写真にあるようにロミオの家はひっそりとしていた。二つの家は歩いて十分ほどの近さで、キャピュレト家とモンタギュー家が対立していても、ご近所なのだから幼なじみだったとしてもおかしくない。
町から追放処分を受けたロミオにとって街の外にこの世はない。ロミオにとってはジュリエットが住むところが天国であり、城壁の向こうは煉獄、拷問、地獄にほかならない。
ロミオとジュリエットの種本のひとつに1476年にナポリで出版されたマスチオ・サレルニターノという人の小説集があり、ただし舞台はシエナで、恋人達の名前はマリオットとジアノッツァとの由。ヴェローナでの物語はどれほど事実に基づいていたのだろう。