トレヴィの泉(伊太利亜旅行 其ノ二十九)


団塊の世代にはトレヴィの泉を園まりの歌った「太陽はひとりぼっち」で知った人がけっこういるのではないか。わたしもこの歌で知りました。
「レクレプス・・・・・・/たそがれのローマ/夏の陽ローマ/トレヴィの泉に/沈む陽よ」(水木かおる作詞、ジョバンニ・フスコ作曲)
一九六二年に製作公開されたミケランジェロ・アントニオーニ監督の同名映画で用いられたこの曲の原題はイタリア語: L'eclisse、英語: The Eclipse(日食や月食の食の意)で歌詞冒頭の「レクレプス」は「エクリプス」を指す。また邦題「太陽はひとりぼっち」は「太陽がいっぱい」が意識されている。
映画は「情事」「夜」とともに「愛の不毛三部作」と喧伝されていた。「愛の不毛」などといわれても小学生には何のことやらわからないまま歌にあるトレヴィの泉と主演女優モニカ・ヴィッティのけだるいムードを湛えた美しさだけが記憶に残った。