「休む勇気」「残す勇気」

二月二日に高知県須崎市で行われた第三十一回桜川駅伝大会に出場した。
3キロ区間を14分18秒。一昨年が14分、昨年が14分1秒だから、だいぶん落ちたが1kmを4分台で走れたのはよかった。
コースは長短あるがみんな往路の山登りと復路の山下りを走る。

山には千本の雪割桜が植えられていて、まもなくこの地域は雪割桜の季節を迎える。藤山一郎奈良光枝が歌った「青い山脈」に「若く明るい歌声に雪崩は消える花も咲く青い山脈雪割桜」とあるあの雪割桜である。

お正月早々に風邪をひいて走り込みができなかったけれど、この駅伝を反転のきっかけとしたい。
その風邪はたいしたことはなかったものの、これまで経験したことのない精神面での落込みを味わった。何をするにも無気力で身体に活力が感じられない状態がつづいた。どうも軽いアウトバーン・シンドロームに罹っていたみたいで、いまもすこし尾を引いている。仕事ならまだしも、趣味と道楽での燃え尽き症状などみっともないから広言するのはおやめなさいと家族は言うのだが。
いつだったか長距離走の専門家に「休む勇気」の大切さを教えられた。ビョーキと嗤われそうだが走るのを休むと、ときに悪事をはたらいているような気持に陥る。休みは明日のエネルギーをつくるという理屈はわかっていてもそんなときはずいぶんと休むのに決断力を要する。今回の風邪は「休む勇気」を欠いた疲労が呼び込んだ結果なのかも知れず、現職のときより時間があるので練習の負荷は高くなりやすい点、よく考えておかなければならない。
そういえば退職予定者への健康講話という研修会の席上、講師の方が生活習慣病の予防と克服のための適度な運動と腹八分目の肝要を説いていた。無理はいけない。過ぎてもいけない。腹八分目のためには「もったいない」より「残す勇気」だ。いずれもまっとうなことだとは思うけれど・・・・・・。
運動における「休む勇気」、食事における「残す勇気」。
心しておくべきだが、いっぽうではあまりこだわるのもどうかなあとも思う。存分に走り、充分に喰らうのはしあわせと元気の証なのだから。
要は無理をしても年寄りの冷や水にならないようにといったところでしょうか。
(雪割桜の写真はとんびさんという方の「ノコシテオキタイ」というブログから引用させていただきました。駅伝大会が行われた須崎市の雪割桜の光景です。)