ローマの観光名所があしらわれたトートバッグの図柄。〈Roman Holiday Bag〉の名で売られていたから、映画好きの旅行者は見過ごせない。はじめプレゼント用にと買ったが、後悔したくないのですぐ自分用に二つ目を購入した。
丸谷才一の名著『男のポケット』では、スーツの上下とコートで二十一のポケットが数えられていた。在職中はスーツ中心だったからポケットは多かったが、退職するとほぼ毎日がジーンズとTシャツのたぐいだからその数はずいぶんと減った。
出歩くときの必携は財布とキィリングとスマートフォーン、これに本、そしてときにはiPadやKindleといった電子機器がくわわる。ポケットではまにあわないからこじゃれたバッグが欲しい。ポケットの使用率はずいぶんと減った。周囲を見るに、男も多くがバッグを提げたり、肩に吊したりしている。男もポケットからバッグに比重が移っている。