ダニエラ・ビアンキ

洋画専門チャンネルIMAGICA BSが007シリーズを放映していて、先日久しぶりに「007ロシアより愛をこめて」を観た。たぶん十年ぶりくらいか。
007は殺しの番号」(「ドクター・ノオ」)につづくこのシリーズ第二作が「007危機一発」として公開されたのは1964年(昭和三十九年)で、中学生だったぼくはスクリーンに二代目ボンドガールのダニエラ・ビアンキが現れたとたん、なんて美しい人だろうと動悸が早まるほどにおどろいた。
大人の女の魅力を知ったはじめての体験だったような気がする。

その直後、イアン・フレミングの原作が創元推理文庫の一冊として出ているのを知った。いまはどうか知らないけれど、当時本書のカヴァー裏面には彼女がベッドに寝て胸から上を出しているカラー写真が用いられていて、これだけで買い!だった。
困ったことにその写真を眺めるばかりで、中身を読もうという気になれず、とうとうそのままになってしまった。
文庫カヴァーの写真はショーン・コネリーとのベッドシーンで、彼女が頸に濃紺の紐を巻いているよく知られたものだが、あれは何という装身具なのだろう。気になりながらいまだに名称を知らない。ご存じの方、教えて下さい。
あのころ、漠然とながら装身具とそれを飾る女性との理想型がここにあると思っていたが、その気持はいまも変わらない。