「生誕110年映画監督清水宏」

溝口健二清水宏について「清水君は天才です。ぼくや小津君は努力家にすぎない」と評したという。その人の特集上映が、京橋のフィルムセンターで「生誕110年映画監督清水宏」として催されている。
1929年の「森の鍛冶屋」から1959年の遺作「母のおもかげ」まで、現存する清水作品の上映プリントを可能な限り集めた41プログラム50作品の大型企画だ。今回の特集でようやく出会えた清水作品はこれまでのところ「七つの海」「花形選手」「家庭日記」「金環食」「銀河」「港の日本娘」「金色夜叉」「恋も忘れて」「蜂の巣の子供たち」「大學の若旦那」の十作品。このうち「港の日本娘」はDVDで持っているが先に劇場でお目にかかったことになる。何がさいわいするかわからない。
すでに見た「有りがたうさん」「按摩と女」「簪」「泣き濡れた春の女よ」「風の中の子供」「歌女おぼえ書」等は他の映画や読書を考慮して断念し、未見作品から選んでイソイソと出かけている。