ハリウッドのギャング映画には必ずといってよいほどナイトクラブやダンスホールのシーンがあり時代の雰囲気を漂わせる曲が歌われ、演奏される。それらは断片的であっても当時のファッションを目にしながら聴く音楽はファンにとってはうれしい贈り物となる。
ギャングの出る映画とジャズは相性がよい。「お熱いのがお好き」でもジャック・レモンとトニー・カーティスはミュージシャンに扮していた。なかにはニューヨークのハーレム地区に実在した高級ナイトクラブを舞台に華やかなショーやマフィアの覇権争いなどを描いた「コットン・クラブ」のような作品もある。
先日久しぶりにウォーレン・オーツが主演した「デリンジャー」を観て1930年代の雰囲気にひたった。濃厚なノスタルジーは派手な銃撃戦とともにこの映画の大きな魅力となっていて、これらのシーンに当時のディキシーランド・ジャズやカントリーミュージックが流れていた。