2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

酒歴

晩年の開高健に『開高健の酒に訊け』という対談シリーズ(酒にはウイスキー とルビが振られている)があり、なかで作家の村松友視が「ぼくがトリスを飲み始めたころ、バーへ行くと小刻みに男のランキングがあって、カウンターの奥にサントリー白一五〇円 ト…

「夢の通ひ路」

三月二日。東京マラソンのエントリーに東京ビックサイトに行ったところ外国人がずいぶんいてコロナ明けを実感した。昨年秋の東京レガシーハーフはそれなりの成績でフィニッシュできたから、その余勢で今回も!とはいえ、加齢とともに弱気に陥りやすくなるの…

「パリタクシー」~パリで起きた「或る夜の出来事」

映画のあと、後々まで心に残っているだろうかとか、さわやかな印象を残してくれてうれしいとか思ったり考えたりする。それはおのずと映画の評価に繋がります。よい意味で記憶に残るかどうかは映画や文学作品について考える際の大切な項目であり基準なのです…

「AIR/エア」~ビジネスの世界を爽やかに

マイケル・ジョーダンと契約したナイキが、伝説となったバスケットシューズ「エア・ジョーダン」を作り、販売に乗り出した内幕を描いた実話ベースのサクセス・ストーリーです。ビジネスの世界をじつに爽やかで、楽しめる作品とした監督ベン・アフレック(ナ…

「女相続人」

Amazon prime videoにある魅惑のモノクロ作品群から「女相続人」を観ました。題名は前から知っていて優れた作品だろうとは推測していましたが、これほどまでとは思いもよりませんでした。いままでご縁がなかったのが不思議なくらいです。 一九四九年の作品で…

旅と料理と酒のたのしみ~ 吉田健一『汽車旅の酒』

中公文庫オリジナルの一冊に吉田健一『汽車旅の酒』がある。二0二二年三月刊。 旅をして、汽車に乗り、駅弁や酒を買う、そこに本書があって素敵なめぐり合せである。 これを企画した編集者を讃えよう。 著者の全体像を論じたりするのはわたしには無理だけれ…