2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ウディ・アレン追放』〜「事件」を知るためのまたとないノンフィクション

日本で公開されたウディ・アレンの映画(監督作品、出演作品ともに)はずっと見てきた。出来不出来はあっても長年にわたるおつきあいだからなんだか生活習慣のようになっていて、書店で猿渡由紀『ウディ・アレン追放』(文藝春秋)という本が並んでいて、ひ…

「ウエスト・サイド・ストーリー」

「ウエスト・サイド物語」が日本で公開されたのは一九六一年十二月二十三日でした。そのころわたしは小学五年生で、映画をみたのは六年生のときだったと記憶していますが、あるいは五年生だったかもしれません。 どうしてこの映画に接したのかは思い出せませ…

大相撲初場所

元旦。おめでたい和歌を三首。 「春毎に松のみどりの数そひて千代の末葉のかぎりしられず」(志賀随翁) 「たらちねのちとせのよはひ末高くかはらぬやどにきますたのしさ」 「万代のとしにもあまる君がやどにとも引つれてあそぶ老鶴」 大田南畝『一話一言』…

柳橋

永井荷風ゆかりの地の散歩で久しぶりに柳橋界隈を廻った。ここは新橋、葭町、人形町、新富町などととともに昔の東京を代表する芸者街、かつての風情でいえばかろうじて屋形船にその名残りがうかがわれる。 柳橋と対比されるのが新橋で、荷風は柳橋の上品で、…

「声もなく」

ホン・ウィジョンという一九八二年生まれの新人監督が撮った韓流作品です。素晴らしいというか、凄いというか、いずれにしてもこれから要注目の女性監督に大きな拍手を贈ります。 鶏卵の小売をするいっぽう犯罪組織から死体処理を請け負う中年チャンボク(ユ…