2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

判断力と品行

「マチネの終わりに」は「愛染かつら」や「君の名は」(菊田一夫の原作ですよ、念のため)といったすれ違いメロドラマの一大変奏曲だった。 パリでの公演を終えた世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史(福山雅治)と、パリの通信社に勤務するジャーナリス…

カルロス・ゴーンの逃亡

年始のNHKラジオのニュースで、カルロス・ゴーンのレバノンへの入国について、同国の著名なジャーナリストが、カネと力とコネをもつ特別な人に政府が特別な措置を与えているのは政治への信頼を揺るがせ、人心にも悪影響をもたらす、と訴えていると報じていた…

「パラサイト 半地下の家族」

評判に違わない無類のおもしろ映画に目を凝らした百三十分でした。 キム一家は両親と、大学進学が叶わない息子と娘の四人全員が失業中で、アルバイトや内職でその日暮らしの生活を送っている。そんなある日、息子ギウが友人の紹介で富裕層のパク家の娘の家庭…

お正月明け走り込み!

先週の土曜日はことしの初レース(10キロ)を走り、昨日は「2020.01.18 (Sat) STEP UPレッスン ランニングアドバイザーsaho~☆お正月明け走り込み!20km距離走☆ 」に参加しました。 sahoさんは現役時代、中距離で活躍した女性ランナー。 雨に雪が混じるなか、…

熱情のゆくえ

人の熱情がどんなふうに推移するかについて、はじめは足元、つぎに身体の中ほどへ行き、そしてのど元へとたどり着いて、ここを最後の休憩場所とするという説がある。 二本足ですっくと立ち、身体の中ほどを核とする精力は快楽を求め続け、やがて精力減退の時…

役者を見抜く力と表現力~芝山幹郎『スターは楽し 映画で会いたい80人』  

「繊細よりも精気を誇り、屈託よりも痩せ我慢を選んだゲイブルには、やはりキングの名がふさわしかった」 「クーパーには荒野と摩天楼の両方が似合った」。 芝山幹郎『スターは楽し 映画で会いたい80人』(文春新書)にあるクラーク・ゲイブルとゲーリー・ク…

『深夜の散歩 ミステリの愉しみ』に導かれて

昨二0一九年十月に創元推理文庫から福永武彦、中村真一郎、丸谷才一『深夜の散歩 ミステリの愉しみ』が刊行された。書誌については後回しにして今回の創元推理文庫版は三人の著者のこれまで未収録だったミステリについてのエッセイや丸谷才一さんが収録しな…

お年賀

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 二0ニ0年一月一日 わたしの六十代の主たる楽しみは、海外に遊び、旅先の地についての本を読んだり、映画を観たりすることでした。定年退職後からのスタートなので手塩にかけて使いこ…