2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「うたたねの枕の上」と「をりをりの美景」

ことしの憲法記念日、安倍首相は憲法改正に向けてのアクセルをこれまでにも増して強く踏み込んだ。第九条に三項を付けるとか言っていたが、そのまえに仮名遣いの問題がありはしないか。日本国憲法は歴史的仮名遣いで書かれているから整合性をたもつには新た…

象乗り(2017夏タイ 其ノ五)

アユタヤ観光の核となっているのが歴史公園ともうひとつ象乗りである。象はタイのシンボル、王様から庶民に至るすべてを守ってくれる特別な存在なのだ。 象に乗るのはたしか三百バーツだったから日本円だと九百円。乗ったかって?それが同行の家族が乗るのを…

「ヒトラーへの285枚の葉書」

一九四0年六月、ベルリンはフランスへの勝利に沸き返っていた。とはいえ戦争だから勝者にも犠牲者は出る。陶酔と喧噪のなか職工のオットー(ブレンダン・グリーン)と妻アンナ(エマ・トンプソン)のもとに最愛の息子ハンスが戦死したとの報せが届く。 訃報…

ワット・プラシーサンペット(2017夏タイ 其ノ四)

ワット・プラシーサンペットはアユタヤの王の遺骨を納めた三本の塔を含む仏教施設を指す。 アユタヤ王朝の創設は十四世紀半ばだから、歴史公園にある建造物の多くは比較的新しいものだが、十八世紀に滅亡した際の攻撃でいまは煉瓦のみを残すものが多い。その…

「ボンジュール、アン」

映画プロデューサーのマイケル(アレック・ボールドウィン)は仕事ばかりで家庭には無頓着、妻アン(ダイアン・レイン)は娘の大学進学を機に子育て後の新しいライフステージのありかたを模索している。そうした折り、彼女はひょんなことからマイケルの仕事…

アユタヤ歴史公園(2017夏タイ 其ノ三)

アユタヤ王朝はいまのタイの中部アユタヤを中心に展開したタイ族による王朝で、一三五一年にラーマーティボーディー一世が創設した。 アユタヤは流れの穏やかなチャオプラヤー川に沿っていて、貿易には格好の立地条件を有していた。じじつ、中国、日本、琉球…

「こんな人たち」

七月二日に行われた都議会議員選挙の前日、秋葉原駅前で行われた自民党の街頭演説会で、演説している安倍首相に聴衆のなかから「辞めろ」「帰れ」のヤジと罵声がわき上がったとの報道があった。 それにたいし首相は「人の演説を邪魔するような行為を自民党は…

屋台(2017夏タイ 其ノ二)

昨2016年10月13日プーミポン・アドゥンラヤデート国王が崩御したとき、タイ国民が追悼する姿をニュースで見て、ずいぶん慕われていた王様だと思った。タイへ来てみるとホテルや高速道路の入口など随所に同国王の遺影が掲げられていた。 やんごとない方面は別…

『あのころ、早稲田で』

著者の中野翠さんは一九四六年生まれ、埼玉県立浦和第一女子高を経て一九六五年四月早稲田大学第一政経学部経済学科(当時は夜間部の第二政経学部があった)に入学、六九年三月同校を卒業した。「あのころ」とはそのころを指している。 中野さんの同級および…

「わたしは、ダニエル・ブレイク」

イングランド北東部ニューカッスルで大工として働くダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)は心臓を患い、医者から仕事を止められ、国の補助を受けようとしたが行政の不親切と複雑な制度のためにどうしてよいか困惑するばかりだ。 補助の申請にお役所を訪…

タイへ(2017夏タイ 其ノ一)

六月二十四日から二十八日まではじめてタイへ行ってきました。成田を発ってバンコク(ドンムアン)へ。訪れたのはバンコクとアユタヤの二つの都市。観光地ではアユタヤ歴史公園(ワット・プラシーサンペット、ワット・ローカヤスターラームなどの寺院跡、王…