2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

森泉笙子「もうヒトツのソラ展」のご案内

“ANOTHER SKY” SOLO EXHIBITION BY SHOKO MORIIZUMI 2016年2月18日(木)〜23日(火)11:00-19:00(最終日は17:00まで) プロモ・アルテ プロジェクト・ギャラリー 東京都渋谷区神宮前5-51-3 Galeria Bldg.2F (地下鉄表参道駅B4出口徒歩五分) 略歴(「もう…

ときには時事問題にも目を向けて

ジャズの「ホワッツ・ニュー」、シャンソンの「再会」、そして映画の「ジンジャーとフレッド」、いずれも別れた男女の時を経ての出会いに哀愁感が漂う名品だ。 フェリーニ作品中のマイ・ベスト「ジンジャーとフレッド」は1985年の映画だから昨2015年は三十周…

「ブリッジ・オブ・スパイ」

「ブリッジ・オブ・スパイ」を観てむかし小林信彦さんが「ジュリア」を評して、公開即名作の仲間入りとなった作品と書いていたのを思い出した。おなじ評言がふさわしいスティーブン・スピルバーグ監督の新作である。 冷戦時の捕虜交換の秘話をユーモアとペー…

アルガンオイル(モロッコの旅 其ノ四十五)

アイト・ベン・ハッドゥからマラケシュへ向かうとちゅうでアルガンオイルのお店に寄った。情報不足のわたしはモロッコの旅をするまでアルガンオイルなるものを知らなかった。じつはいま女性のあいだでたいへんな人気だそうだ。 モロッコ南部に自生するアルガ…

「ベテラン」

漫画っぽいアクションに謎解きと社会派ミステリーが加味されたオモシロ映画、と書いたところで気づいた、これはずいぶんと贅沢なエンターティメントだったのだ、と。 ベテラン刑事ドチョル(ファン・ジョンミン)は特殊強力事件を担当する特別捜査セクション…

あぶり出しの絵(モロッコの旅 其ノ四十四)

ネットでモロッコの旅のブログを見ていると何人かの方がアイト・ベン・ハッドゥでのあぶり出しの絵に触れていた。あらかじめ乾燥すると無色となる液体で紙に文字や絵を書き、それに熱を加えると化学変化が起きて、見えなかった文字や絵が表示される。小学校…

「クリード チャンプを継ぐ男」

「ロッキー」に「クリード チャンプを継ぐ男」という新しい章がくわわった。そのことで三十年にわたる全六作のシリーズの輝きが増した。反歌を伴わない長歌に見事な反歌が詠まれたといった感じか。 シルベスター・スタローンの渋く抑えた演技、年齢を重ねた…

「クサル」(モロッコの旅 其ノ四十三)

たくさんの映画が撮影されただけあってアイト・ベン・ハッドゥは絵になるところだ。現地のガイドさんはここを「クサル」と呼んでいた。要塞化された村という意味だ。「カスバ」も城塞に囲まれた居住地区を言うので意味はほぼおなじだが、ガイドブックによる…

「マイ・ファニー・レディ」

昨年末「ペーパームーン」「ラスト・ショー」のピーター・ボグダノビッチ監督のおよそ十三年ぶりの新作が公開された。 一九三九年生まれの監督が手がけた「マイ・ファニー・レディ」は粋で、おしゃれ、往年のスクリューボール・コメディにオマージュを捧げた…

ワルザザート(モロッコの旅 其ノ四十二)

ワルザザートは1920年代にフランス軍によりサハラ砂漠の最前線基地として建設された町だ。その結果、小さな村が都市に変貌した。 映画「モロッコ」のラストで、外人部隊に入ったゲーリー・クーパーが太鼓の音とともに砂漠のなかを出陣し、その音を聞き、いて…

丸谷才一『腹を抱へる』『膝を打つ』を読む

『丸谷才一全集』全十二巻(文藝春秋)は小説と文芸評論を主に編纂されていて、残念なことにユーモアエッセイや対談、翻訳は収められていない。ただし文春は生前、著者と全集刊行について相談していて、巻立ての都合でユーモアエッセイと対談を収録できない…

アイト・ベン・ハッドゥ(モロッコの旅 其ノ四十一)

「シェリタリング・スカイ」や「バベル」などモロッコで撮影された映画は多くワルザザートのスタジオが使われている。モロッコが謳われてはいないが「アラビアのロレンス」「スター・ウォーズ」「007リビング・デイライツ」「ナイルの宝石」「ハンナプトラ/…

お年賀

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。「六十六下から読むもむそじむつ中から読んだ時もありしに」(秋楽)という江戸時代の狂歌を知りました。半世紀まえの中から読んだ十六歳の頃のあれこれを心に浮かべて感慨に耽っている…