2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

燃え尽き症候群

破天荒なアクション、悶絶のミッション。快調のシリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/ ロング・ネイション」でマンガスパイ物語を堪能した。007シリーズがちょいとシリアス度を高めている傾向にあるので、こちらはマンガ度を高めるほうに舵を切るの…

ショルダーバッグ(モロッコの旅 其ノ二十五)

ヴェネツィアで晩酌用にグラスを買ったように、フェズでも日用に使う皮革製品で、記念になるものを、少し値が張っても一点買っておいてもよいかなあとショルダーバッグのコーナーを眺めていたところ、さっそく男の店員がやってきてあれこれ勧めてくれた。 パ…

七十年目の敗戦の日に 7 朝鮮人従軍慰安婦問題

いま日韓のあいだの歴史と外交をめぐる問題のひとつに朝鮮人従軍慰安婦問題がある。政治的な文脈としては一九九三年八月四日に宮沢内閣の河野洋平内閣官房長官が発表した談話が基点となる。 一般に河野談話として知られるその内容は、慰安婦の存在を認め、慰…

バブーシュ(モロッコの旅 其ノ二十四)

皮革製品の工場兼販売所でバブーシュという履物が有名と聞いた。モロッコに昔からある、かかとを潰したタイプの履物で、一見してラフな感覚がよい。当方、ちょいとご近所に出るときはビーチサンダルをもっぱら使っているけれど、帰国したらさっそくこれを加…

日本が南アに勝った!

目が覚めていつもとおなじようにスマホでニュースを見ると、18日にイングランドで開幕したラグビーワールドカップで昨19日日本が南アに勝ったとあった!号外を出すに価する出来事だ。深夜のライブ中継は苦手なので朝イチで見るようにしていて、贅沢言っては…

モロッコ皮(モロッコの旅 其ノ二十三)

「製革の一種。山羊皮を原料とし、植物性のタンニン剤で鞣(なめ)し、染色後表面に細かい『しぼ』を出した薄い革である。製本用または家具上張用とする装飾革である。もとモロッコから欧州に輸入したのでこの名がある」(三省堂百科辞書編集部編『婦人家庭…

七十年目の敗戦の日に 6 二二六事件

笠井潔、白井聡『日本劣化論』は、NHKが二二六事件を扱った歴史番組に出演した御厨貴、加藤陽子、筒井清忠の三人が、蹶起将校に対する正面切った批判をしなかったことを紹介したうえで、近年の議論の傾向として将校たちの心情はともかく、結果として軍部独裁…

ブー・ジュルード門(モロッコの旅 其ノ二十二)

フェズの旧市街(メディナ)に入る前のレストランで中国の女性と話をした。十月一日の国慶節をはさむ時期だったからこの連休期間に海外旅行をたのしむ人は多い。往路の機内でニコール・キッドマン主演「グレース・オブ・モナコ」を日本語字幕がなく中国語字…

七十年目の敗戦の日に 5 愚行の象徴

西園寺公望はおなじ公家の出自という親近感もあり近衛文麿に期待していたが、その近衛は軍の政治介入や国家総動員体制が進むなか、元老西園寺は議会主義の牙城であり「国是の発展の上からいうとやっぱり邪魔になるように思う」と語っている。くわえて英米と…

迷路の街(モロッコの旅 其ノ二十一)

フェズは七八九年ベルベル人ムーレイ・イドリス一世により建設された都市で、八0八年イドリス一世の息子イドリス二世はここをイドリス朝の首都とした。モロッコでいちばん古い都市で、旧市街(メディナ)は世界一複雑な迷路の街といわれている。狭い路地には…

七十年目の敗戦の日に 4 テロリズム

大久保利通、大隈重信、原敬、浜口雄幸、犬養毅……テロにより死去もしくは被害に遭った政治家である。政治目的を達するための殺人や暴力があってならないのは当然で、上の人たちはテロの犠牲者として位置づけられなければならない。現代の無差別テロといっし…

ムーレイ・イスマイル廟の日時計(モロッコの旅 其ノ二十)

日時計は紀元前三千年に古代エジプトで使われていたそうだが、起源は古代バビロニアにさかのぼるという。古代ギリシアと古代ローマで改良がくわえられて完成の域に達し、そのあとアラビアに伝わった。 写真はムーレイ・イスマイル廟の中庭にあった日時計で、…