2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

和田誠映画祭

「アナと雪の女王」を観た。字幕版か吹替版かで迷ったが松たか子と神田沙也加の評判に惹かれて吹替版にした。 冒頭エルサとアナの姉妹が遊んでいて、エルサの魔法が誤ってアナの頭に当たり傷つけてしまう。両親が急いで森のトロールに会いに行くと、トロール…

トロイの木馬(土耳古の旅 其ノ七)

小アジア西岸の豊かな都市トロイは十年にわたりアガメムノンやアキレスが率いるギリシア軍との攻防戦を展開した。ギリシア軍を追い払い守りきったと思ったそのとき、オデュッセウスの考案になる巨大な木馬をギリシア軍の置きみやげと誤解して城門に入れ、敵…

「ジゴロ・イン・ニューヨーク」

ブルックリンにある本屋の店主マレー(ウディ・アレン)は不況で店がうまくゆかず、思案投げ首のところへたまたま診察に行った皮膚科の医院で、レズビアンの美人の医師(シャロン・ストーン)から男を交えた3Pにあこがれていると打ち明けられる。そこで思い…

ダーダネルス海峡(土耳古の旅 其ノ六)

黒海とマルマラ海を結ぶボスフォラス海峡、マルマラ海とエーゲ海ひいては地中海を結ぶダーダネルス海峡はともにヨーロッパとアジアの境界であり、古来戦略上の要衝の地である。 1853年に起こったクリミア戦争の結果、ロシアはダーダネルス・ボスフォラス海峡…

日劇ミュージックホールOG会(其ノ二)

懇談会につづいては料理とお酒が運ばれ、松永てるほさんの乾杯の発声で開宴し、しばらくは歓談のひととき。見た限りでは森サカエ、松永てるほ、岬マコさんはよい飲みっぷりでしたねえ。 そうするうちに森サカエさんにリクエストが寄せられた。日本レコード大…

ホテルの『コーラン』(土耳古の旅 其ノ五)

高校生のとき国際ギデオン協会の方から文庫本ほどの大きさの『新約聖書』をいただいた。和英対照だったのですこしは英語の勉強になるだろうと、ときどき眺めていた。 社会人になると出張先のホテルでハードカヴァーの『聖書』を見かけるようになった。こちら…

日劇ミュージックホールOG会(其ノ一)

この六月十五日に日劇ミュージックホールのOG会が開かれ、過日、小浜奈々子、松永てるほ、岬マコさんと面識を得たわたしも受付や記録報告などの手伝いを兼ねて参加させていただいた。 まずは当日の読売新聞に「ミュージックホールダンサー初のOG会」という見…

青の彩り(土耳古の旅 其ノ四)

ブルーモスクの正式名称はスルタンアフメト・モスク。オスマン帝国第十四代スルタン・アフメト一世により1609年から1616年にかけて建造された。設計はメフメト・アー。六本の優美なミナレットと直径27.5mの大ドームをもつこの建物は青い装飾タイルやステンド…

「バイ・バイ・ブラックバード」

一九三0年代の雰囲気が色濃く表現された映像と派手な銃撃戦で忘れがたい映画に「デリンジャー」(1974年)がある。ジョン・ミリアスのはじめての監督作品でウォーレン・オーツがデリンジャーに扮した。 ジョン・デリンジャーは一九三0年代前半アメリカ中西…

アヤソフィア(土耳古の旅 其ノ三)

イスタンブールはアジアとヨーロッパとが接する場所だ。双方の地は橋で結ばれ、また地下鉄も通じている。地理上の接点は文化が出会い、融合し、角逐する場である。ブルーモスクと対のかたちで建つアヤソフィアはそれを象徴している。 東ローマ帝国時代にはギ…

「グランド・ブダペスト・ホテル」

一九三0年代初め、東欧の架空の国でホテルのなじみ客だったマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺され、彼女をはじめとして多くの老女性から愛されているホテルのコンシェルジュ、グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)に嫌疑がかかる。背後に莫大な遺産争い…

ブルー・モスク(土耳古の旅 其ノ二)

はじめてイスタンブールという都市を意識したのはいつのことだったろう。映画ではっきりおぼえているのは1964年の公開当時に観た「007/危機一発」(「007/ロシアより愛をこめて」として再上映)で、写真のオスマン帝国を象徴する建造物ブルーモスクをはじ…