2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

世田谷文学館に進路を取れ(其ノ二)

八月二十日。前週に引き続き世田谷文学館へ。きょうの「和田誠展 書物と映画」関連イベントは「文学とジャズ」コンサート。 佐山雅弘(ピアノ)井上陽介(ベース)道下和彦(ギター)のトリオにボーカル島田歌穂。トークが和田誠という心躍る企画だ。ピアノ…

世田谷文学館に進路を取れ(其ノ一)

八月十三日。本郷通りを歩いて神保町へ出て昼食をとり、古書店を覗いたあと、イソイソと京王線直通の都営新宿線に乗り込み、蘆花公園駅で下車して世田谷文学館へ向かう。ここにはたしか二00五年の生誕百年成瀬巳喜男展以来だからずいぶんと御無沙汰だった…

水色のワルツ

長年にわたり愛聴してきた「水色のワルツ」。その歌手、二葉あき子さんが八月十六日に九十六歳で亡くなった。恋のときめきと喪失の哀しみを語った歌は無数にあるけれど「水色のワルツ」のように聴く者の心にかすかな震えをもたらすほどの曲はめったにあるも…

「瘋癲老人日記」な日々

七月十五日。新文芸坐の若尾文子特集で「瘋癲老人日記」を観る。(併映は「雁の寺」)。一九六二年(昭和三十七年)大映作品。監督は木村恵吾。颯子を若尾文子、督助老人を山村聡が演じている。 谷崎潤一郎晩年の大傑作「瘋癲老人日記」は身体不自由、セック…

「恋人」

「恋人」(1951年新東宝)はたがいに恋心を抱いている幼なじみの男女が、けっきょくは結婚に踏み切れず、女の挙式の前夜、ともに最後の思い出として東京の街をさまよう、その一夜を描いた作品。梅田晴夫のラジオドラマ「結婚の前夜」を市川崑、和田夏十のコン…

「闘魚」

「闘魚」は一九四一年(昭和十六年)の東宝作品。昨年没した池部良のデビュー作だ。監督志望ながら文芸部に配属されていた池部を、監督の島津保次郎が、これに出演すればそのうち自分の助監督にしてやると言って口説いたという。 原作は丹羽文雄の新聞連載小…