2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

瞬間日記抄(其ノ五)

大晦日夜七時のNHKニュースで高峰秀子の訃報を知る。命日は十二月二十八日。八十六歳だった。御冥福をお祈りするばかりだ。フィルモグラフィーでは出演作およそ百七十本を数える。そのうちわたしが観ているのは四十作余りだからまだまだ開拓の余地は大き…

瞬間日記抄(其ノ四)

「バーレスク」のクリスティーナ・アギレラのステージは魅力的だ。「月の輝く夜」のシェールの歌の場面がすくないのもよしとしよう。ただし、ノー天気なサクセス・ストーリーに、アギレラと店のバーテンダーで婚約者のいる男との恋愛や劇場の買収問題をぐた…

野口冨士男の昭和十六年十二月八日〜ノモンハン事件

野口冨士男『いま道のべに』の一篇「消えた灯ー新宿」に開戦の日のことが書かれてあり、その頁にわたしは附箋を付けていたと前稿に書いた。そうしながら、この日に野口が妻子とともに昭和館で「スミス都へ行く」を観た記述をまったく失念していた。 言い訳め…

野口冨士男の昭和十六年十二月八日〜「スミス都へ行く」

昨年八月の本ブログのさいしょの記事『映画となると話はどこからでも始まる』で、わたしは太平洋戦争直前まで「コンドル」や「スミス都へ行く」といったアメリカ映画が上映されていたとの淀川長治の回想を紹介したうえで〈日米開戦を前にどのような客層が映…

謹賀新年〜瞬間日記抄(其ノ三)

あけましておめでとうございます。 初春の願いを込めて「もしも月給が上がったら」からスタートします。「もしも月給が上がったら」という歌謡曲の一節に「もしも月給が上がったら/ポータブルなども買いましょう/二人でタンゴも踊れるね」とある。作詞は山…