2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

小津のことばつかい

一九二七年(昭和二年)の春、田口商店というドイツ映画を輸入する会社に岩崎昶(1903-1981)という青年が就職する。東京府立一中、第一高等学校、東京帝国大学独文科というエリートコースを経たこの若者はすでにシナリオやドイツ映画の評論を書いており、そ…

『映画となると話はどこからでも始まる』

スローボートの就航です。本や映画の話題のさいしょは淀川長治、蓮實重彦、山田宏一『映画となると話はどこからでも始まる』(1985年勁文社)を採り上げてみます。お三方の鼎談本はほかにもあるけれど、この書名で決まり。 ここで主旋律を奏でるのは淀川長治…